これだけは守れ!保健機能食品の正しい選び方3か条!
- アプエンテ事務局
- 5月26日
- 読了時間: 4分
更新日:6月12日

近年、健康への関心が高まる中で、「保健機能食品」という言葉を耳にする機会が増えました。
これは、特定の成分を含み、健康の維持や増進を目的とした食品であり、「健康増進法」「食品表示法」などに基づいて分類・表示が定められています。
本コラムでは、保健機能食品の種類や特徴、そして選ぶ際に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
保健機能食品の3つのタイプとは?
保健機能食品は、大きく分けて次の3つのカテゴリーに分類されます。
◆ 特定保健用食品(トクホ)
特定保健用食品は、消費者庁の個別審査を受け、特定の保健効果が科学的に認められている食品です。
「お腹の調子を整える」「血圧を下げる」「脂肪の吸収を抑える」などの表示が可能で、製品にはトクホマーク(許可表示マーク)が付けられます。
安全性と有効性の両方が国によって確認されているため、安心して選ぶことができます。
ただし、許可を得るには臨床データなどの科学的根拠が必要であり、審査が非常に厳しいため、流通している製品数は限られています。
◆ 栄養機能食品
栄養機能食品は、ビタミンやミネラルなどの特定の栄養成分が一定量以上含まれている食品です。
「カルシウムが骨の形成を助ける」「ビタミンCが抗酸化作用を持つ」など、国が定めた範囲内で機能の表示が可能です。
国の許可は必要ありませんが、定められた基準を満たすことで、事業者の責任で販売・表示が可能となります。
普段の食生活で栄養が偏りがちな方にとって、効率よく不足しがちな栄養素を補う手段として役立つ食品です。
◆ 機能性表示食品
機能性表示食品は、2015年に新たに導入された比較的新しい制度です。
国による個別審査は不要ですが、企業が自ら科学的根拠に基づいて機能性や安全性を確認し、その内容を消費者庁に届け出る必要があります。
「中性脂肪を下げる」「記憶力の維持に役立つ」など、機能に関する表示が一定の条件のもとで可能となっています。
この制度の導入により、消費者はこれまで以上に幅広い製品の中から、自分の目的に合った商品を選びやすくなりました。
保健機能食品を選ぶ際のポイント3か条
市場には数多くの保健機能食品が出回っていますが、目的や体調に合ったものを正しく選ばなければ、期待した効果が得られない場合もあります。
自分の目的を明確にする
「何を改善したいのか」を明確にし、それに合った成分が含まれているかを確認しましょう。
例:腸内環境を整えたい → 乳酸菌やオリゴ糖、血圧が気になる → DHAやGABAなど
表示内容をよく確認する
特定保健用食品や機能性表示食品の場合は、表示されている効果が自分の目的に合っているかをチェックしましょう。また、栄養機能食品は「何の栄養素を補うものか」に注目することが大切です。
信頼できるメーカーを選ぶ
パッケージ表示だけで判断が難しい場合は、製造元の実績や研究データの有無なども確認ポイントとなります。
評判やレビューも参考にするとよいでしょう。
食事とのバランスも大切です
保健機能食品は、あくまで日々の食事をサポートする“補助的な存在”です。
効果を実感するためには、まずはバランスのとれた食生活が基本となります。サプリメントや特定の食品に頼りきりになるのではなく、普段の食事や生活習慣そのものを整えることが重要です。
さらに、適度な運動・質の良い睡眠・ストレスのコントロールといった生活全体のバランスが保健機能食品の効果をより高める鍵となります。
おわりに
保健機能食品は、正しく取り入れることで日々の健康づくりをサポートしてくれる心強い存在です。
「特定保健用食品」「栄養機能食品」「機能性表示食品」というそれぞれの違いを理解し、自分の目的に合った製品を選ぶことが、健やかな毎日の第一歩につながります。
ただし、食品である以上、医薬品のような即効性や治療効果は期待できません。
過信せず、あくまで“補助的な役割”として日々の生活に上手に取り入れていきましょう。
登録販売者試験でも、保健機能食品の分類や制度の違いはよく出題されるテーマのひとつです。
実生活にも役立つ知識ですので、ぜひこの機会に、学びを深めてみてくださいね。