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薬は“効く”だけじゃない?副作用と薬害のホントの話

  • 執筆者の写真: アプエンテ事務局
    アプエンテ事務局
  • 6月6日
  • 読了時間: 4分

更新日:6月12日

処方箋

「薬を飲んだらなんだか眠くなった💤」「かゆみが出たけど大丈夫…?」私たちの健康を支えてくれる医薬品にも、“副作用”という避けては通れない一面があります。そして、歴史をさかのぼると、薬によって大勢の人が健康を損なう「薬害」もたびたび発生してきました。

こうした過去の経験を教訓に、医薬品の安全性は年々進化しています。


このコラムでは、「副作用って何?」「薬害ってどう違うの?」「どう防がれているの?」といった疑問にお答えします。


副作用ってどんなもの?


医薬品は、正しく使えば治療に大きく貢献しますが、“期待される効果”以外の反応=副作用(有害事象)が起こることがあります。


💊 軽度な副作用(よくある例)

・眠気やだるさ

・胃のむかつき、下痢、便秘

・口の渇きや軽いかゆみ

これらは日常でも見られやすく、比較的軽い反応です。


⚠️ 重篤な副作用(まれだけど重大)

・アナフィラキシー:重いアレルギー反応で呼吸困難や血圧低下

・肝機能障害:黄疸、だるさ、食欲不振など

・腎機能障害:尿が出にくい、むくみ、高血圧

・血液障害:免疫力や酸素運搬力の低下、感染症リスクの増加

副作用の多くは、使用を中止すれば回復することもありますが、自己判断での継続服用はNGです。


歴史に残る「薬害事件」


「薬害」とは、医薬品によって多数の人に重大な健康被害が出た社会的事件です。


■ サリドマイド事件(1950〜60年代)

妊婦に使用された薬が、出生児に手足の欠損などの先天異常を引き起こしました。海外で警告が出ていたにもかかわらず、日本での対応が遅れたことが問題に。


■ スモン事件(1960〜70年代)

整腸剤に使われたキノホルムにより、歩行障害や視覚障害などが発生。この事件を機に、副作用救済制度が設けられました。


■ 血液製剤によるHIV感染(1980年代)

血友病患者に投与された輸入血液製剤にHIVが混入し、感染被害が拡大。これを受けて検査体制や輸入制度が大きく見直されました。

 

副作用はなぜ起きるの?


薬の効き方や副作用の出方は、人によって異なります。

その理由は…

🧬 体質・年齢・性別

💊 服用中の他の薬やサプリメント

🕒 用法・用量を守っているかどうか


どんなに安全性の高い薬でも「副作用ゼロ」とは言い切れません。

そのため、“効果とリスクのバランス”=リスク評価がとても大切なのです。


💡 たとえば…

・命に関わる病気 → 効果重視、副作用もある程度許容

・軽い不調 → 安全性重視、副作用は最小限に

 

🛡️ 薬の安全を守るしくみ

現在の医薬品は、販売後もさまざまな制度で安全性がチェックされています。

副作用報告制度:医療関係者やメーカーが国に報告

市販後調査(PMS):実際の使用状況をモニタリング

添付文書:副作用や注意点が一般の人にも分かりやすく記載


情報はアップデートされ続けており、薬の安全性は常に見直されています。

 

副作用や薬害を防ぐには?


制度だけでは副作用・薬害は防ぎきれません。

私たち一人ひとりの「正しい使い方の意識」がとても重要です。


🔎 薬を安全に使うポイント

✔ 医師・薬剤師・登録販売者の説明を守る

✔ 添付文書や説明書をよく読む

✔ 異変を感じたらすぐ相談する(発疹・めまい・かゆみなど)

✔ 他の薬やサプリとの併用は注意する


登録販売者にとっては、「薬を安全に届ける」ことが最大の役割です。

購入者の体調や使い方をヒアリングし、必要に応じて医療機関への受診をすすめる判断力も求められます。

 

おわりに


薬は、私たちの健康を守ってくれる頼れる存在です。でも同時に、副作用や薬害といった“影の側面”があることも知っておく必要があります。


歴史に学び、今の制度や知識があるからこそ、私たちはより安全に薬を使える時代に生きています。怖がるのではなく、正しい情報と意識をもって使うことが、安心につながります✨


登録販売者試験では、「副作用」や「薬害」、「リスク評価」の知識は重要な出題ポイントです。実生活にも直結するテーマですので、ぜひしっかりと学んでおきましょう!









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